著者はモンテカルロ手法を初めてデリバティブ評価に適用した第一線の研究者だそうです。
数式を使わずに説明するとの触れ込み通りに難解な数式を使わず、2項モデルでオプションの価値算定の考え方を提示しているのは分かりやすいのですが、やはり高校程度の確率統計の知識は必要でしょう。
そもそもオプションは保険と類似した概念で、比較的小さなコストでより大きなリスクを回避できる便利なツールなのですが、それが逆にテコとなって少額で大きな投機に繋がってしまった事例も扱っています。翻訳もの独特の読みにくさはありますが、比較的平易な文章で喩え話などが適切に用いられているので、入門書としてはいいと思います。
21世紀は国民総投資家の時代、としてみれば、デリバティブに関する基本的な教育がもっと身近に行われるべきだ.本書は、モンテカルロ・シュミレーションを初めてデリバティブに適用した一流の研究者による、非常に面白くかつバランスのいい入門書であり、日本のデリバティブ教育の遅れに貢献すること大だと思う.実務家でも発見すること多し.オプションのベーシックなパターン、無裁定原理、ヘッジ機能、投資手段(ポートフォリオ・インシュランス等)、破綻の代表例の解説、クレジット・デリバティブ、オプション評価式の歴史等々、デリバティブに関することは一通り、しかも興味深い実例によるわかり易い解説によって、記述してある.訳者も原書執筆に深く係わっており、翻訳に関して全く不満がない?!??!!も素晴らしい.